LaVie Touch!を体験 Windowsが動くって素晴らしい [デジタル]

今回紹介するのは、今年になってにわかに注目を集め始めたAndroidタブレットとも、iPad2ともちょっと違うスレートPC。
スマートフォン用のOSではなく、Windows 7がフルに動作するのだ。
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NECパーソナルコンピュータの「LaVie Touch」。
Windowsマシンでありながら、マルチタッチ対応の液晶ディスプレーを備え、本体にキーボードを持たない。しかも薄型コンパクト。そんなパソコンを“スレートPC”と呼ぶ。
LaVie TouchもそんなスレートPCのひとつだ。


OneNoteはぜひ1度体験しておきたいツール

 一方、会議の議事録や取材時のメモ取りなどには、OneNoteが中々便利である。こちらは、ノートに手書きでしていく感覚でメモが取れるアプリケーションだが、パソコンということで、音声や動画、さらには書いた文字の認識、ネットを使った共有など、普通のノートにはない様々な便利機能が集約されたソフトとなっている。

こんなに薄くて軽いパソコンが手に入るとは!
LaVie Touchが、世間で話題を集めているAndroidタブレットやiPad2とどこが違うのか。

その魅力と言えば、やはり:

 「飛びきり薄型・軽量で、携帯性にも優れたWindowsパソコンが手に入る」
という1点に尽きるのではないか。

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例えば本体の薄さは15.8mm。重量は約729g。最近ではUltrabookと呼ばれる薄型のモバイルノートも登場しているが、ここまでの薄さと軽さを両立したマシンというのは中々存在しない。LaVie Touchのディスプレーサイズは10.1型。解像度は1280×800ドット。そして約10.6時間駆動。この点では一般的なノートと引けを取らないスペック。

 にもかかわらず、ここまで薄くて軽いという点をまずは強調しておきたい!

 もちろん携帯性の高さにはキーボードレスという要素が大きいのだが、パソコンからキーボードを外すことは“マイナス要因”ではなく、“プラス要因”にもなる、という点は強調しておきたい。

簡単に言えば、“利用スタイルの自由度”が大いに上がるのだ。もっと具体的に説明すると、ノートパソコンを快適に利用するために「ない」とどうしようもならない「机や椅子」が不要ということ。

 タブレットの形態であれば、移動中の電車などで、立ったままメールやウェブサイトのチェックをしたい、あるいはごろりと寝転がって、頭上に掲げた画面を見たい……といった用途にも気軽に対応できるのである。

 一方でパソコンなんだからキーボード要るだろうという声には、Windows 7では“Windowsタッチ”など、マルチタッチ関連の機能が大きく強化されているよと答えたい。指先だけでも結構快適に操作できてしまうし、ソフトキーボードなど文字入力用のUIも持っている。検索やURLのためにちょっとした文字を入力したい場合でも、テキストが打てなくて困るといった心配はとりあえずない。

 もちろんスレートPCであれば、普通のパソコンと同じ使い方もできる。自宅や会社のデスクでは、USBでキーボード/マウスを接続して、じっくりと長文のメールやOffice文書の編集に取り組むことも可能だし、USB HDDや光学式ドライブ、プリンターといった周辺機器の利用もできる。

 さらにLaVie Touchは、ドッキング機構を持ち、付属のマルチステーションや無線キーボード/マウスと接続して使える。この合体システムによる、機能拡張が数あるスレートPCとLaVie Touchを分ける差別化ポイントと言えそうだ。

IPSパネルなので、画面がとても美しい!
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さてここでLaVie Touchに触れた最初の印象についてコメントしておきたい。フロント部分は、ほかのタブレット機と同様で、ほとんどの面積を画面が占め、その周りを黒いフレームで囲っている。画面の回転ボタン、インジケーター類、ウェブカム(とマイク穴)などごく一部を除くと表面には一切凹凸がなく、シンプルさを極限まで追求したという印象だ。

手にすると本体は非常にコンパクトで「このサイズによくまとめたな」と感じる。「AndroidタブレットやiPad2はもっと薄いよ!」と言われれば「そうですね」と答えるしかないが、LaViet Touchはこのサイズでもパソコンであるという点を忘れてほしくない。

 一般的なパソコンは軽くても1kg、薄さも20mmを切るか切らないか程度である。そう考えると「開発陣はがんばったんだな」と素直に驚嘆してしまうのである。

電源を入れると、青と紫の鮮やかなデスクトップが表示される。この液晶ディスプレーの美しさには素直に驚く。写真などではこの鮮やかさがなかなか伝わらないので、少し損をしている気もする。購入を検討しているなら、ぜひ一度店頭で確認すべし。。

 タッチパネルであるため若干反射はあるが、表面はいわゆる光沢パネルではなく、ノングレア処理なので比較的写り込みも少ない。タブレットは1枚の画面を複数人でのぞきこんで使う機会も多いので、このあたりは嬉しいところだろう。

 内部に目を向ける。LaVie Touchは、消費電力が少ないAtomプロセッサーを採用しており、スペック的にはNetbookに近いのだが、ファンレスでSSD採用なので、使用時に騒音や振動を感じずに済む点はポイントが高い。OSもWindows 7 Starterではなく、Home Premium。機能面での不満はまずないだろう。

 ちなみに長時間使っていると、本体下半分(横位置でNECロゴを下にした場合)の温度が多少上がる感じもある。ただしバッテリーのある上部はほとんど熱を持たない。バッテリー部分が上側になっているのは、マルチステーションに置いた際でもバッテリーを交換できるようにしたいという配慮ではないかと想像する。

 とはいえ両手に持って使用する際には、ロゴが上になるように持てばいい話なので、大きな問題にはならないだろう。

 本体に関してはこのぐらいにして、ここからはスレートPC、そしてLaVie Touchだと何が嬉しいのか? そしてどんな使い方をしたらいい? という点について詳しく見ていこう。

ポイントの一つ目は、パソコンであるがゆえに1台で完結できること。データを移動させたり、同期したりする手間なく、普段使いの環境を丸ごと持ち運ぶことができる。つまり母艦となるマシンを別途用意せずに、LaVie Touch1台で、デスクでもモバイルでも済ませられる……のである。
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 これは専用OS搭載のタブレットではなく、パソコンであることの大きなメリットだ。

 特にビジネス用途では、Officeファイルをそのまま持ち運び、表示・編集できる点が嬉しい。本体には、互換ビューアーなどではなく、本物の『Office Home and Business』がプリインストールされている。しかも、Word/Excelだけとケチ臭いことは言わず、もはやないと仕事にならないPowerPointや、議事録作成に便利なOneNoteも利用できてしまうのだ!

 特にプレゼンにも利用する、タブレットでPowerPointが使えないのは「正直あり得ない」と思う人が多いはず。この点は大満足だ。付属のマルチステーションの設置面積は、本体と同程度で、適度な角度で机における。これで自宅や会社では「充電」しながら、無線キーボードやマウスを使ってサクサクと編集。外出先で見るためにUSB経由で本体にコピーしたり、オンラインストレージに上げる……といった準備も一切不要となる。

 これならせっかく作ったファイルをコピーし忘れたと出先であたふたする危険も避けられるし、いざ外出するときには本体を取り外してカバンに入れるだけで済む。直前まで(場合によっては移動中でも)時間が使えるので、十分単位の時間でも有効活用したい、忙しいビジネスマンの力になってくれるはずだ。

 二つ目のポイントは、機動力の高さ。冒頭でも少し触れたが、タッチ操作対応で軽いマシンは、キーボード付きのノートにはない魅力がある。

 立ったままでの操作や、操作中の画面を相手に見せるという用途ではノートよりも圧倒的にスレートPCのほうが効率がいい。

 例えば、駅で電車を待っている際に、ウェブサイトで訪問先の地図を調べたり、取材内容の復習をしておくという用途や、打ち合わせの際に、作成途中の資料を探し出して相手に見せたり、急に生じた疑問をウェブで調べて確認するといった用途で特に便利だ。
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 通信回線については無線LANを装備しているので、それを使ってもいいし、屋外で常に接続していたいというのならUSB接続のデータ通信アダプターやWi-Fiルーターなどを用意しておけばいい。このあたりはパソコンなので選択肢が豊富だ。

 また使って見ると、ブラウザーを自由に選べるという点が意外に便利であることを実感した。Windows 7の場合、標準でInternet Explorerが使えるが、これ以外にもFirefox、Chrome、Safari、Opera……など多種多様なブラウザーが使える。

 そして単にブラウザーの選択肢が豊富、というだけでなくブラウザー用のプラグインや機能拡張を色々と利用できるという点も魅力になると思う。

 FlashやPDFがみられるといったベーシックなものは当然だが、よく使うサイトをサムネイル付きで登録してワンプッシュで起動したり、ソーシャル系サービスやスケジューラとの連携、スクリーンキャプチャ、ジェスチャーを使って快適に操作したり……など、色々なカスタマイズが可能なのはパソコンならではのポイントと言える。

 解像度的にもモバイルノートと遜色ないので、レイアウトが崩れてしまったり、画面が小さすぎて一覧すると見にくいといった不満も出にくい。この種のデバイスで最もよく使う機能がブラウザーだろうから、ここにこだわれるというのは非常に重要である。

この種のデバイスを使っているとほぼ間違いなく聞かれるのが、「文字入力どうするの? 手書き?」といったもの。

 もちろん手書きは使えるし、Windows 7になって精度や認識の速度も大分向上した印象がある。でもおススメしたいのはやはり、標準搭載されているサードパーティ製アプリ「ExTOUCH」だろう。
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画面の右側に常駐しているユーティリティーで、ケータイ風のテンキー入力やフリック入力用のキーボードが簡単に呼び出せる。さらにアプリケーション起動用のランチャーや、液晶輝度の変更といったよく使う設定類もタブ切り替えで選択可能。

 ちょっとした操作であれば、右手だけで済んでしまうほど優れたUIである。

OneNoteはぜひ1度体験しておきたいツール

 一方、会議の議事録や取材時のメモ取りなどには、OneNoteが中々便利である。こちらは、ノートに手書きでしていく感覚でメモが取れるアプリケーションだが、パソコンということで、音声や動画、さらには書いた文字の認識、ネットを使った共有など、普通のノートにはない様々な便利機能が集約されたソフトとなっている。

中でも録音とメモが1つのファイルで完結するという点は、取材の多い編集者やライターにとって嬉しい機能と言える。また、話を聞いているとテキストで打つよりも「図で書いたほうが分かりやすいな」と感じることも多いが、この点も手書きなら問題なしだ。

また、手書きが生きるシチュエーションとしてはやはり校正だろう。これも結構便利に使える。ウェブの記者なので、レイアウトをスグ見てほしい的な依頼を受けることが多いが、その場合は慌てず騒がずOneNoteの機能を使う。上の画面のようにブラウザーやPDFファイルなどで表示している内容をOneNoteに取り込める機能があり、それに手書きで指示を加えられるのだ。

 しかもInternet Explorerから画面を取り込んだ場合は、表示していたサイトのURLも一緒に取り込めるという親切さ。情報収集目的で利用する際に、あとで「どこのサイトだったか」と悩んでしまう心配も防げるというわけ。

なお、複数のウィンドウを切り替えて操作できるのはWindowsの特徴であるが、マウス&キーボードだけではなく、指先の操作では若干繁雑に感じることもある。このあたりを配慮してか、ウィンドウを閉じるための「×」ボタンは大きめに、ウィンドウサイズを変えるためのUIにも工夫するなど、デフォルトでも操作しやすいようになっている 。

もちろんキーボードを携帯する使い方もOK

 以上タッチでも快適な文字入力が可能である点について紹介してきたが、コンパクトな無線キーボードは、カバンに入れて持ち歩いてもそれほど負担にならないはず。メールへの返信など、長文入力にも対応しておきたいというなら、一緒に持っていく手もある。

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その場合は、本体側のUSBポートに無線ドングルを付けっぱなしにしておけばいいだろう。シーンに応じてタブレットスタイルと、PCスタイルを切りかえられるのが本機の魅力なので、ここは上手く使い分けたい。

慣れたPCの操作を応用、設定や操作習得の不満も最小限

 最後にLaVie Touchを使った感想をいくつか。

 ここは使い方によって賛否両論あるところかと思うが、Windowsが動くことによる安心感は本機を使い続ける大きな理由になると感じた。タブレットはビューイング中心だと割り切れればいいのだが、せっかくファイルを持っているのに、その内容を変更できない、出先で印刷できたらなどなど、ちょっとしたイライラを感じるケースは多々ある。

 そういったストレスを感じたくないから、ノートを持ち運ぶと言う人は多いだろう。しかしノートはやはりカバンのスペースを圧迫する。このあたりのジレンマに答えてくれる可能性があるのがLaVie Touchだ。

 薄型軽量であるという点は上に書いたとおりだが、バッテリー駆動時間が長く、交換式というのも大切な部分だろう。標準で約10.6時間というのはモバイルノートとして考えてもかなり優秀な数字だが、長期間使っていけば、時間は徐々に減っていく。その場合に交換できるというのは使い続けて行く上で嬉しいポイントだ。

 マルチステーション内蔵のDVDドライブを含めて、パソコンとしての拡張性も十分に盛り込まれているから、アイデア次第で用途はかなり広がっていくはず。Windowsの操作に慣れているなら、悩まず使えるという点も選択のポイントとなるだろう。

 AndroidやiOSといったスマートフォン系からのOS機とは性格が異なり、適する用途もそれぞれという面があるが、パソコンの機能をフルに使いたいという人、タブレットでもある程度作業を完結させたいと言う人にとっては、選択肢のひとつになる製品だ。

 Atomプロセッサー搭載機でも、起動した状態のアプリケーションは中々快適な速度で動作するので、利用方法も工夫しながら活用してみると面白い。

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