【プロジェクト・グラス】ネットが体の一部になる??スマホがなくなる日 [デジタル]

 いまから10年前の2002年、「マイノリティ・リポート」(スティーヴン・スピルバーグ監督)という米SF映画が公開されました。
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 犯罪を予知・抑止する捜査部隊の登場で犯罪が激減している未来が舞台のSFサスペンス作なのですが、この映画で、トム・クルーズ扮する主人公が、空中に大きく表示されたディスプレー(画面)をジェスチャーで操作する場面が出てきます。

 この映画、ちょうど夏休みに見たのですが「やっぱり未来のネット技術って、こんな感じになるんだろうな」と妙に感心したのを覚えています。

 あれから10年。何とあの映画の場面とあまり変わらないような、ほとんどSFの世界といっていい技術が現実のものになったのです。

空中に投影…AR眼鏡。なんと、コンタクトレンズでも…

 既にご存じの方も多いと思います。米グーグルが4月初め、人が知覚する現実環境をコンピューターで拡張する「拡張現実(AR)」の技術を駆使して、現実社会とネット社会を融合させる眼鏡型端末を開発。その概要を初公開した。
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 一見すると、右目側の上部に小さなレンズがついた単なるおしゃれ眼鏡ですが、音声による操作で、目の前にテレビ電話の画面が出てきたり、グーグルマップを使った道案内図や天気予報、交通情報などがポンポン飛び出てくるのです。

スマホ、カーナビを滅ぼす技術

米グーグルが自社のSNS(交流サイト)サービス「Google+(グーグルプラス)」に立ち上げた特設ページでこの眼鏡の開発計画「プロジェクト・グラス」を初公開し、動画投稿サイト「ユーチューブ」では眼鏡装着者の視点によるデモ動画(2分半)を披露。これを受け、米紙ニューヨーク・タイムズや英BBC放送など欧米主要メディアが一斉に概要を報じました。

 とにかく、デモ映像が凄すぎて腰が抜けました。



 朝起きると、まず目の前に14個のアイコンが現れます。コーヒーをいれながら部屋を見上げると、現在時刻と気温と今晩のスケジュール情報が自動的に出てきます。

 朝食のサンドイッチを食べていると「きょう、合おうぜ」と友人からの電子メールが眼前に。返事のメールは「本屋の前で2時」とつぶやくだけで送信できてしまいます。



年末に発売? 得するのは広告業界!?
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 地下鉄の駅に向かい、ホームへの階段を下りようとすると「当該路線は遅延」。直後にグーグルマップが目的地の本屋までの徒歩ルートを自動表示してくれます。ホントに至れり尽くせりです。無事、友人と合流した後、自分が見ている風景を彼女に見せながらテレビ電話でおしゃべりも…。

 「約2年間の開発期間」(ロイター通信)を経て試作機を開発した米グーグルの開発部門「グーグルX」は「みなさんが自身の世界を探索・共有するのを支援しつつ、一瞬にして現実に引き戻す技術を開発するため始めた」との公式コメントを発表しています。

 また「われわれが今、この情報を共有するのは、皆さんと会話を始め、貴重な意見を得たいからです」と述べ、今後、ユーザーの意見を製品に積極的に反映させる考えも示しました。

 この新技術について、欧州の大手技術系アナリストは英BBC放送に「広告業界にとって(新市場を生み出す)巨大なチャンスとなろう。データ受信のためのコンピューターの小型化といった課題もあるが、収益化の機会は膨大だ」と述べ、極めて有望な新ビジネスだと評価しています。そりゃそうでしょう。広告スペースが無限に広がる訳ですから、誰が考えても大変な市場です。

 しかし、眼鏡で驚いている場合ではないのです。何と、同じことをコンタクトレンズでやってしまおうという計画も進んでいるのです。
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 米ワシントン大学の生体工学の権威、ババク・パーヴィッツ博士の研究グループは2008年、コンタクトレンズに小さなIC(集積)回路とLED(発光ダイオード)を埋め込むことに成功し、この技術の実用化に向け実験を続けています。

 これを装着すれば、グーグル眼鏡と同じように文字や映像が目の前に浮かぶわけです。電力やデータはワイヤレスで送信するそうです。研究チームは既にウサギでの実験で実用化に確たる自信を持ったといいます。

 SF映画の世界が猛スピードで現実に近づいているのです。ちなみにグーグル側はこの眼鏡について、現在もテスト中で販売時期などは未定としていますが、この計画を今年2月、いち早くスクープした米紙ニューヨーク・タイムズは、米では今年の年末のクリスマス商戦の時期に、250ドル(約2万円)~600ドル(約4万9000円)で発売される可能性があると報じました。

それにしても、この眼鏡やコンタクトレンズが実用化されたら、携帯電話もiPad(アイパッド)も必要なくなりますね。ぶつくさ独り言をつぶやいている人が増えるのは気色悪いですが、IT(情報技術)機器はこれから、限りなく人間の体の一部と化すのは間違いありません。IT機器とネット技術が身体機能を補完し、われわれの日常生活が豊かになれば素晴らしいと思います。
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