キンドル日本上陸!驚異の成長力を秘めるアマゾン! [デジタル]

世界で最も売れている電子書籍端末キンドルが日本上陸!
キンドル1.jpg
2012年6月26日、米国のeコマースサイトの雄、アマゾン・ドット・コム(米国ナスダック上場、コードAMZN)の電子書籍リーダー「キンドル」が日本でも発売されるというニュースが発表されました。キンドルは世界で最も売れている電子書籍を読む為のデバイスです。

日本での発売については「発売が正式に決定された」という以上の情報はなく、詳しくは後日発表、とするのみです。今のところ日本では、電子書籍についての障壁は高く、普及についても懐疑的、或いは不透明な部分も多く残っています。しかし、先行する米国の爆発的な普及を見ていると、数年後には爆発的な普及を見せている可能性もあります。

そして米国で電子書籍を普及させたのは、圧倒的な電子書籍数を持ち、キンドルを儲けなし(機種によっては赤字)で販売してきたアマゾンの存在が大きいのです。これまでも日本で様々な業者が電子書籍事業をスタートして現在乱立気味となっていますが、どれも成功したとは言えない状況です。成功者であり、米国でのノウハウを持つアマゾンの上陸で、日本でも普及が進む可能性あります。

スマートフォンを振り返ってみても、日本でその言葉が定着したのは2010年ごろでしたが、米国では2004年頃にはSmart Phoneが株式投資において話題の言葉となっており、当時すでに電車や空港でスマートフォンに指を走らせる人を至るところで見かけるようになっていました(当時はまだiPhoneなどのタッチスクリーンはなく、ブラックベリーのキーボード搭載型が主流でした)。

先行する米国では既に出版物全体の約2割が電子書籍に!
その米国では、アマゾンが2007年に初代キンドルを発売し、2009年あたりから倍々ペースで電子書籍市場が急成長、今では全ての出版物全体の約2割が電子書籍形式で購入・購読されています。アマゾンがキンドルを発売するのは、(アップルのiPadなどと違って)機器販売で儲けるのでなく、赤字覚悟でそれを普及させ、後に購入させる電子書籍で継続的に儲けるためです。
キンドル2.jpg
一般の紙の書籍や雑誌の場合、値段のうち、最も多くを占めるコストが取次マージンと製本・印刷などです。また多くの在庫を抱え、返品コストも多大です。電子本ではそれら全てが不要となる上、中間マージンを大幅にカットでき、また販売においても物理的な立地における不動産コストも不要で、(ネット販売するだけなので)小売りコストも低くなります。最終消費者や著作者に対しては金銭的なメリット大ですが、カットされる側の業者の反発にあってなかなか普及が進まないところです。そのような中でも圧倒的な消費者の支持には勝てず、業者もこれに乗る方に回ってきました。例えばバーンズ&ノーブルという米国最大の(電子でなく紙の)書籍販売店チェーンは、紙の書籍販売が落ち込むリスクをとってまで、生き残りをかけてnookという電子書籍リーダーの発売に踏み切り、アマゾンに対抗しています。

数ある電子リーダーの仲でも大きな優位性があるキンドル

数ある電子リーダーの中でキンドルのメリットは、アマゾンが機材で儲ける意思なないため、価格が安いことと、iPadなどと違って本を読む為に開発されたタブレットなので、読みやすい、目が疲れない、などが挙げられます。

会計事務所大手のPWC社では、2016年の電子書籍の市場規模を、現在の4倍近くとなる208億ドルまで成長すると予想しています。アマゾンはこのように成長を期待できる市場でトップを走っており、早くから読む為の電子書籍リーダー機の開発と、書籍の規格・フォーマット作りや、コンテンツである本や雑誌、新聞の品揃えを多くするよう準備してきました。その準備の一環として、2兆円の本・雑誌市場である日本へも上陸することが正式に伝わったところです。

アマゾンの成長は電子書籍にあるだけではありません。同社は自らをネット空間の「本屋」ではなく、「世界一の小売り店」を目指す存在だと定義しています。それを社員に浸透させ、日々その為の戦略を行ってきました。

キンドル3.jpgアマゾンが販売するのは紙・電子の本だけでなく、電子機器をはじめその他の電気製品、衣料品、健康関連の商品など、何でもありという様子です。同社のライバルはアップルでも大手書籍チェーン店でもなく、実物店舗で世界最大の売上を誇るウォルマート(スーパーマーケット最大手)でしょう。そのウォルマートをネット販売というeコマース戦略によって上回ることが最終目標となるでしょう。

現在、世界の小売市場は緩やかに成長を続けてはいるものの、その成長力は非常に緩やかなものです。一方、オンライン販売においては新興国、先進国共に急成長が続いています。たとえ小売り市場が今後、世界的な景気減速で成長が止まったとしても、オンライン販売額だけは最低2桁成長が予想できます。まだまだ小売額全体に占めるネット販売額の割合は先進国でも数%であることが多く、こういった国では小売り販売成長自体は緩やかでも、成長余地の高いネット販売は2桁成長以上が当然となっています。アマゾンの販売サイトには月に3億人を超えるビジター数が居り、その数は増え続けています。

アマゾンの株価はここ数年で大きく上昇しましたが、世界の小売市場を席巻するステージまで想定すれば、長期的にはまだまだ莫大な潜在成長性を秘めているように思います。今後10年間で持続的な成長が期待できるアマゾンは、アップルを超えるような株価になる可能性もあるのではと思っており、長期的に注目できると思います。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。